市吉則浩さんインタビュー

市吉則浩さんインタビュー

市吉 則浩さんにインタビュー

 「駐車(ちゅうしゃ)」が「チュチャ」、「討論(とうろん)」が「トロン」、「農民(のうみん)」が「ノミン」と発音し、日本語と全く同じ意味。そんな言語をご存知でしたでしょうか? ・・・そうです。日本のお隣り、韓国語です。
「へえーっ、面白い!」という感じる視点から、韓国語を学ぶ。そんな韓国語の本を書かれている方がいらっしゃいました!
外来語からかなりのイタリア語を学べる、という視点をもっている私からすると、非常に共感する発想で書かれた、韓国語の学び方。第三回イタチカ・ドットコムのインタビューは、「日本人だからできる!漢字で覚える韓国語」 の著者、市吉則浩さんです。

市吉則浩

-韓国語だけで、かなりの著書の数ですね?

そうですね。最初に書いたのは、『「冬のソナタ」をもっと楽しむ本』でした。これは、ちょうど「冬のソナタ」がブームになった頃、ドラマの「こんなところがおかしい!」「なぜこんなことがあるの?」といった、韓国の文化や習慣を知っていないと、理解できない部分がありまして、これを解説する本を出したんです。

そこから、韓国ドラマを解説する本をシリーズ化しよう、というお話をいただきまして、それでとても忙しくなって。やはり夜でないと時間が捻出できず、昼間はフラフラになりながら、韓国語のクラスを教えてました(笑)。

-もともと何をきっかけに韓国語を?

実は、最初から、韓国語をやろうと思っていたわけではなかったんです。もともとは、海外で仕事がしたい、という思いがありまして…。

市吉則浩

まずは日本語を教える資格、日本語教師の資格をとりました。当初は、アジアの中でも、東南アジアや、台湾等、を希望していたのですが、どうしても教師の空きのタイミングが合わなくて。それで、縁があって韓国に行くことになりました。

当時、韓国に行って驚いたのは、韓国の方の、語学に対する熱心さ、です。

皆さん、仕事が始まる前の時間、朝6:30から、日本語を学びに来るんです。あるいは、仕事が終わってからの夜、夕方ですね。しかも、前の晩、どんなにお酒を飲んでいても、翌朝、皆さん、休まない、サボらない。一人もですよ。
私も刺激をうけて、ソウルの学校で韓国語を学び始めました。

-韓国語の魅力は?

市吉則浩

まず、学べば学ぶほど、本当に日本語と近い。「あっ、韓国語でもこう言うんだ!」という発見が今でもあるんですね。例えば、「話に花を咲かせる」とか、「口に合う」といった表現は、韓国語でも同じです。数千年以上にわたる、隣国としての歴史的な関係の深さを感じるんです。
また、ちょっとした違いも面白い。例えば、発音では、韓国語では、「ゾ」や「ザ」という音が無かったりとか、或いは、「白黒テレビ」を、「黒白テレビ」、「あっちこっち」という表現を「こっちあっち」と表現したりとか。
また、韓国語を通じて、これだけ私たちにとっては、外国人である韓国の人と親しく慣れるんだ、というのも大きな発見でした。歴史的なことを抜きにしても、誤解していることも多く、語学を通じて知り合ってみれば、当初考えていた壁など無い。
韓国の人は、私の印象では、総じて、わかりやすくて、単純・明快で、付き合いやすい方々だと実感しています。

-初心者にお勧めの学習法は?

まずは、韓国の文字、「ハングル」の読み方から学ばれることをお勧めします。
ハングル、というと難しそうな印象をお持ちになる方が多いのですが、構造はローマ字と似ているんです。つまり、「k」と「i」を組み合わせて「ki」にすれば、「キ」と読む、といったように、パーツ・パーツを覚えて、組み合わせるコツをつかんでしまえば、案外簡単に読めるようになってしまいます。
あとは、文法の構造は、日本語とほとんど一緒なので、単語だけ、日本語で作った文にあわせて置いていけばいい。
ですから、何年か使わなくても、単語さえ思い出せば、語順に悩まず、すぐ韓国語の文章は作れるんです。

市吉則浩

-今後の展望はいかがでしょう?

韓国語というのは、使われている言葉の7~8割が漢字の言葉なので、非常に日本語と似通った言葉が多いです。例えば、「家具」は「家具」ですし、「価値」は同じく「価値」。しかも、日本では、漢字一文字に対して音読み・訓読みと読み方が複数ありますが、韓国語では、基本的には読み方は一個。例えば、「会社」が「フェ・サ」だと覚えてしまえば、「サ・フェ」と言われたときに、あ、「社会」という意味かな?、と、まるでクイズを解くように想像できるようになってきます。
そんな韓国語の面白さをもっと知ってほしいし、日本と韓国の交流がもっと盛んになってほしい。そのお役に少しでも立てるようになっていければ、うれしいですね。

-ありがとうございました!

<インタビュー後記>
とても穏やかなお人柄から語られる韓国語の魅力は、「将来、韓国語、やりたい!」と思うほど、とても楽しいものでした。イタリア語や欧米系の言語では、日本語との「違い」が楽しかったりしますが、韓国語では、日本語に本当に「近い」ところに魅力がありそうです。
インタビュー後、私たちの忘れ物を届けようと自ら走って追いかけてきてくださったお人柄に感銘を受けながら、インタビューを後にしました。
市吉さん、本当にありがとうございました! (インタビュアー:松本、村越)

市吉則浩さん

市吉 則浩

1973年東京生まれ。明治学院大学卒業。2000年日本語講師として渡韓。延世大学校韓国語学堂を修了し、帰国後、韓日交流センターを主宰する。韓国語教室で語学指導に従事するかたわら、日韓にかかわる様々な活動に携わる。著書に、「ローマ字だからすらすら覚える韓国語」「今すぐ使える韓国語フレーズ ~うきうき韓国ライフ編」、他がある。

【著書】(他多数)