貯蓄・貯金・貯蔵食

111030_1453~02.jpg 貯蓄・貯金・貯蔵食

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貯蓄は将来への不安

日本は貯蓄率の非常に高い国として有名です。

つまり将来への不安が多く、そのための「たくわえ」がいっぱいあるということですね。

先日、ある本で、「貯蓄、貯金、貯蔵食、というのは、冬の寒さの厳しい北ヨーロッパの発想だ」と、書いてあり、なるほどと思うことがありました。

冬に作物ができず、冬ごもりのために夏に働いておく、という発想から、稼いだお金も将来のために蓄えておこう、というわけです。

 

貯蓄は寒さの厳しい北ヨーロッパの発想

たしかに、冬の寒さがさほど厳しくない南ヨーロッパや、南米などラテン系の国々では、明日のための貯蓄より、今を楽しもう、という発想が強いですね。

一方、日本は、北日本や日本海側を除けば、気候がかなり温暖な国です。なのに、どうして「たくわえ」が多いのでしょうか?

それは、おそらく明治以降、ドイツ・イギリスといった北ヨーロッパを中心とした文化を、受け入れてきたからではないでしょうか?そして、「老後はどうするの、もしも~なったら…」とCMなどで、絶えず将来への危機意識を煽られているからかもしれませんね。

それは、「明日のために今日がんばる、その明日がやってくると、また明日のためにがんばる」となり、ラテンの国からは、冬眠前みたいに感じられるのかもしれません。

明治維新後、イタリア・スペインの文化が中心に輸入されていたら、面白かったかも、なんて勝手な想像もしてみます。

 

イタリア語の risparmiare はドイツ語由来

ちなみに、イタリア語で「貯蓄・貯金する、節約する」は、risparmiare (リスパルミアーレ)と言いますが、ドイツ語の sparen 「蓄える」から派生した語、ということですから、言葉もやはり北から来たんですね。

logo_small.jpg vocabolari
  • risparmiare (動詞) 「貯蓄、貯金、節約する」

cassa di risparmio

神さまとパニック

パニックとギリシア神話

人は、何かびっくりするようなこと、予期しないことに出会うと気が動転してしまい「パニック」を起こします。

「パニくる」という造語の動詞まであるようです。

イタリア語でも、 panico (パーニコ)という単語があり、最近もイタリア人が使うのを耳にしました。意味はまったく同じです。

この panico のパニックは、なんと面白いことにギリシア神話のある「神」と関係があるのです。

ギリシア神話には、ヒツジやヒツジ飼いを監視する牧神で、Pankòs (パンコス)という神様がいます。この牧神は、機嫌が悪いと突然、恐ろしく怒り、ヒツジも荒れ狂ってしまうことがあるそうです。

それでこの Pankòs によって突然もたらされる恐怖や混乱のことを panico (パーニコ)、すなわち「パニック」というようになりました。

では、さらにもう一つ、ギリシア神話の神を起源としたイタリア語の形容詞があります。それは何でしょう? ヒントは「酒」の神です。

 

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【ひとりごと】

先日、2年ぶりにイタリアに行って感じたことの一つは、「ショーウインドウがオシャレ」です。ヨーロッパの他の国と比較しても、イタリアが突出しているといえるのではないでしょうか?

私はそれほどショッピングに関心があるわけではないのですが、それでも街を歩きながらの買い物が楽しく、女性の気持ちが本当によくわかりました。

また買い物もイタリア語を使うのと使わないのとでは、店員さんの反応が変わってくるようですし、店員さんとのコミュニケーションをして買った物は、ちょっと思い入れが強くなります。

イタリア語は難しいと敬遠されますが、日本語である外来語の中からも、イタリア語との結びつきが深い単語というのはたくさんあるんですね。

それを「発掘」する作業を私はひたすらやっております…。こうした言葉の数々を集めて、さらに体系化してイタリア語の基礎を31日で学んでしまう、というあり得ない企画がこちらのメルマガです。


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これは有料のメールマガジンとは異なり、31日間×5分、で終わるので、お手軽です。

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紀元前、紀元後・・・


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紀元前、紀元後は、B.C. A.D. A.C. D.C.??

今回は、紀元前、紀元後をテーマにして学んでみます。

博物館に行くと、B.C.100とか、A.D.100とか書いてありますね。あれは、紀元前100年、紀元後100年、ということですが、略は、B.Cは before Christ、A.D.は anno Domini です。

ところが、イタリアへ行くと、ちょっと混乱してしまいます。A.C.100とか、 D.C.100とか、書いてあるのです。

あれ?これは紀元前だったかな、紀元後だったかな?とならないために、何の略だったかを覚えておくと忘れません。

 

イタリア語の表記は

紀元前のA.C.は avanti Christo (アヴァンティ・クリスト)

紀元後のD.C.は dopo Christo (ドーポ・クリスト)

avanti は、「前に、前方に」という意味で、andare avanti (アンダーレアヴァンティ)で「前に進む」となります。dopo は、「あとで、次に」という意味で、 dopo (ア ドーポ)は「また、あとでね」なんてことにも使います。

つまり「キリストの前、キリストの後」ということです。

 

ちなみに1000年祭は・・・

ちなみに、キリスト教では、1000年祭のことを millenium(ミレニアム) といいます。西暦2000年も「ミレニアムだ!」といってお祭りしましたね。このことを、知っておくとイタリア語の1000の単位は、カンタンです。

イタリア語の数字の1000は mille (ミッレ)なのです。2000は due milla 、3000は tre milla ・・・となるわけです。

さらに、単位のmm (ミリ)は、1mの「1000」分の1ですから、millimeter (ミリメーター)なのです。

ここでも mille (ミッレ)が登場しています。面白いですね。

 

vocabolari

  • avanti Christo 「紀元前」のA.C.
  • dopo Christo 紀元後」のD.C.
  • avanti は、「前に、前方に」

    andare avanti (アンダーレアヴァンティ)で「前に進む」

  • dopo は、「あとで、次に」

dopo (ア ドーポ)は「また、あとでね」

ルネッサンス→

firenze

ルネサンスはどうしてフランス語?

私は先日、久しぶりに Toscana 地方の Firenze を訪れました。

やはり、毎年世界中から何十万人という観光客を引き寄せるだけあり、街の至るところで歴史が感じられる素敵なところです。市街地図も、何世紀も前からほとんど変わっていないとのことです。

Firenze はルネッサンスの都として14~16世紀ごろにかけて栄え、レオナルド・ダ・ビンチやミケランジェロという大芸術家を生みました。

しかしヨーロッパの歴史上、特に有名なこの古典文化の復興運動のことを、どうして「 ルネッサンス 」というのでしょうか?

そもそも「 ルネッサンス 」は、イタリアのこの Firenze を中心として栄えたにも関わらず、なぜか Renaissance( ルネッサーンス )という「フランス語」で世界的に知られています。

調べてみたところ、どうやらフランスの歴史家がこの「 ルネッサンス 」という用語を名づけたことに由来しているようです。

 

イタリア語はリナッシメント

しかし、誇り高い(!?)当のイタリアでは、ルネッサンスのことをフランス語ではなく、

Rinascimento( リナッシメント )

というイタリア語で呼びます。

この「 ri 」は「 リピート、リバース、リバウンド 」の「 リ 」で「 再び 」という意味であり、nascimento は nascere ( ナッシェレ = 「 生まれる 」)という動詞からわかるように「 再び生まれる 」 ⇒ 「 再生 」 のことだったのですね。

「 再生 」はもちろん古代ギリシア・ローマの文化の再生を意味しています。

ルネッサンス ⇒ renaissance( 仏語 )⇒ rinascimento( イタリア語 )

となるわけです。

 

【ひとりごと】

先日、2年ぶりにイタリアを訪れました。トスカーナ地方のFirenzeと、シチリアのPalermoの2都市を訪れましたが、あまりの違いに2カ国を旅したような気分でした。

Palermoでは、地元の人には口ぐちに「Firenze? 行ったことないな~」といわれ、びっくりしました。

イタリアは、地方にそれぞれご自慢のワインや郷土料理もあり、やはり、それがイタリアらしさの良いところだな、と思いました。

 

J と G

111030_1453~02.jpg J と G
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今日は、一つ、読み方について復習しましょう。

イタリア語のアルファベットの数は英語と変りませんが、ほとんど使われないアルファベットがいくつかありました。

そのひとつが、「J」です。

J」 は「judo 柔道、jazz ジャズ、jeans ジーンズ」など、特定の外来語や、人名や地名を表すときにしか用いられず、一般にイタリア語は「ja ジャ、ju ジュ、jo ジョ」の発音にあたるものは「gia、giu、gio」と表記しました。

例えば、

giapponese は・・・

そうですね、英語の japanese「日本人」 です。「ジャッポネーゼ」と発音します。

それでは、

giornalismo はどうでしょうか。

そうです。

これは、英語の journalism 「報道、ジャーナリズム」、「ジョルナリズモ」と発音します。

イタリア語の「こんにちは」というあいさつにあたる「ブオンジョールノ」。

これは、 buon giorno でしたね。

これで、「gia、giu、gio」は「ジャ、ジュ、ジョ」と読むことが、定着したのではないでしょうか?

地震とツナミ

111030_1453~02.jpg 地震とツナミ

東北地方太平洋沖大地震では、地震や津波の被害だけでなく、原発の災害にも見舞われることになりました。1日も早い復興と生活の安定を祈願して、今回も「地震」をテーマにいたします。

この地震は外国からの関心も非常に高く、イタリアでも連日のように報道がなされています。

前回はイタリア語で「地震」は、

terra (大地) + moto (動く)= terremoto (テレモート)

であるとお伝えしました。

ところが、記事をいろいろとみていると terremoto だけでなく、 sisma (シースマ)という単語をたびたび目にするようになり、気になって調べてみました。

たとえば、記事のタイトルで、

Sisma devasta il Giappone. (シスマ デヴァスタ ジャッポーネ)

というものがありました。( devastare は「荒廃させる」という意味です)

この sisma は、ギリシャ語の seismós (サイスモス)「地震」という単語に由来していることがわかりました。英語では「地震学」を seismology (サイズモロジー)、「地震観測」を seismography (サイズモグラフィー)といいます。「サイズモ系地震計」という呼び名もあるようです。

イタリア語の sisma (シースマ)という単語は、この seismo から来ていたのですね。

最後にクイズをひとつ。「津波」はそのまま tsunami としてイタリア語でも使われているのですが、
terremoto ( terra + moto )を応用すると、イタリア語の「津波」という表現もすぐわかるのです。

さて何と言うでしょうか。ヒントは「海が動く」です。

考えてみてくださいね。

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【ひとりごと】

地震のニュースは本当に胸が痛みます。そして余震もほとんど毎日のように続いており、こちらも不安になります。

放射能については「安全」と「危険」のどちらの報道もなされ、正しい情報が欲しい、と思います。福島県にお住まいの方々はどれだけ不安な思いで過ごしていらっしゃることでしょうか?

「生きる」とか「生活」そのものをあらためて考えさせられる毎日です。被災地の一日も早い復興をお祈りいたします。

 

大地が動いた地震

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~ 17 marzo, 2011 ~

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はじめに、3月11日に起きた「東北地方太平洋沖地震」により被害を受けられました皆さまに謹んでお見舞い申し上げます。そして被災地の一日も早い復興をお祈りいたします。

こういうときにメールマガジンでイタリア語を学習、という心境ではないと思いますが、私たちは、こういうときこそ、平時にあるものが、平常通り活動を続けることが、将来の復興につながると考え、継続してメルマガを発行していきたいと考えます。

将来的に、イタリア語で自国の状況を伝えるケースも出てくるかと思いますので、今回は予定を変更して「地震」をテーマにいたします。

イタリアのニュースサイトでも日本の地震や津波が大きく取り上げられています。

以前少し書いたことがありますが、「地震」はイタリア語で terremoto (テッレモート)といいます。

この terremoto は、2つの言葉が合わさってできています。

terre は「大地」という意味の terra 、

moto はバイクのモーターと同じ意味で「動き、運動」です。

「大地が動く = 地震」となります。

例文をあげると

La citta’ e’ distrutta dal terremoto. (町は地震により破壊された。)

タイルや焼きものの材料となる粘土を「テラコッタ」といいますが、この terracotta (テラコッタ)にも terra が含まれていますね。

terra (テッラ)は「 大地⇒土 」であり、cotta は「焼く」という意味ですので、

「焼いた土」⇒「テラコッタ」となるわけです。

terremoto も terracotta も2つのことばが組み合わさっていることがわかります。

もう一つ、 terra と組み合わさった言葉で、太平洋などの海洋の名前になっているものがあります。考えてみてくださいね。

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【ひとりごと】

地震のニュースを見るたびに、被災地の方々の悲しみと、困難な状況に、胸が痛みます。

私の住む東京では、計画停電が実施されていますが、節電ということも今せめてできる行動のひとつかもしれません。

何かを失ったとき、何かが足りないとき、困ったときに、本当にそのありがたみ、大切さに気付かされます。今はそうしたことを実感する日々です。被災地の一日も早い復興をお祈りいたします。

 

日が昇るのでオリエンタル

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~ 9 marzo, 2011 ~
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西洋人からすると、日本をはじめとするアジアのオリエンタルな世界というのは、とても魅力的のようです。

日本の料理や文化が大好き、というイタリア人やフランス人もよくみかけます。Nino という私の友人も、日本の庭園が大好きだ、庭師になりたい、と言っています。

こうした東洋好きのことをオリエンタリズムといい、イタリア語では orientalismo (オリエンタリズモ)といいます。

そういえば「東、東洋」という意味の oriente (オリエンテ)の ori‐ は「(何かの)はじまり、起源」という語に関連しています。

オリジナル(イタリア語では originale )という言葉からもわかると思います。

では、なぜ東洋のオリエントが「はじまり」と関係するかというと、東洋というのは西洋人から見ると「日(太陽)が昇りはじめる方角 = 東」ということなんですね。

oriente の例文としては、こんなものがあります。

Marco Polo andava verso oriente.

(マルコ・ポーロは東方へ向かった。)

oriente を動詞にすると orientare (オリエンターレ)となるのですが、「東に向ける」のほかに「方向づける、導く」という意味もあります。

「東に方向づける」から「方向づけ」ということでの「オリエンテーション」という言葉が出てきたのですね。

ori が元になったオリエント、オリジナル、オリエンテーションのお話でしたが、実はもう一つ、意外な名前に結びついています。

それは「 origin- 」が、なんとある「原住民族」の名前に含まれているのです。どこかの大陸に「はじめから」住んでいる民族です。考えてみてください。

 

ベルベル人とベラベラ

今回は、ちょっといつもとはテーマを変えて、民族と単語のつながりをみてみましょう。

みなさんは「 ベルベル人 」という民族をご存じでしょうか?

ちょっと面白い名前ですが、このベルベル人はマグレブと呼ぶ北アフリカに古くから住んでいる民族です。

サッカーのスーパースターであったジダン選手もアルジェリア出身で、ベルベル系だといわれています。

私もベルベル人にチュニジアで会ったことがあり、歴史上の民族だとばかり思っていたのでびっくりしたことがあります。
この「 ベルベル 」という発音はとても面白いのですが、「 異邦人・外国人、未開・野蛮人 」を意味する英語の barbarian 、イタリア語の barbaro (バルバロ)にとてもよく似ていると思いませんか?

一説によると、古代ギリシア・ローマ人にとって外国人の言葉は「 バルバロ ( バロバロ ) 」という音に聞こえ(=言葉の意味がわからない、ということ)、barbaro 「異邦人・外国人」という単語ができたとのことです。

そこからベルベル人の「 ベルベル 」の由来になったという説があるのです。
日本語ですと「 ベラベラ 」とか「 ペラペラ 」というので似ていてとても面白いと思いました。
さて、このベルベルと barbaro のように、民族や国とある単語につながりがある、とされているもの2つあげます。

1つは「 奴隷 」を意味する英語の slave ( イタリア語では schiavo )、

もう1つは「 ジプシー、流浪の民 」の英語の gypsy ( イタリア語では zingaro )です。

考えてみてくださいね。

 
【ひとりごと】

このたびは私事にもかかわらず、励ましのメールを下さった方々、本当にありがとうございました。

この場を借りて御礼申し上げます。

子どもというのは、たとえ赤ん坊であっても、胎児であっても、親に何かのメッセージを伝えにやってくるように思います。

私の子どもはお腹の中のたった7ヶ月の一生にもかかわらず、命がけで私や妻にメッセージを送ってくれたんですね。

そんな風に考えると、慰められる思いがしています。

 

母なるマタニティー

111030_1453~02.jpg 母なるマタニティー

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母親のことは、英語で mother (マザー)といい、妊婦さんの服などを maternity (マタニティー)といいますね。

このどちらも「母」を意味する mater (マテル)というラテン語を語源としています。

イタリア語では母親のことを madre (マードレ)というのですが、この mater (マテル)の「母」は、単に母親という意味だけでなく、「何かを生み出すもの、源(みなもと)、元になるもの」というイメージをもつと、コトバのイメージが広がってきます。

イタリア語で mater (マテル)がもとになっている単語を拾ってみると、「母なる、母の」という形容詞の materno (マテルノ)があります。

例えば、

lingua materna (リングア マテルナ =「母国語」)

という意味になります。

また matrimonio (マトリモーニオ =「結婚、結婚式」)という単語があるのですが、「結婚」が父でなく、「母」から派生している言葉だと考えると、とてもおもしろいと思います。

新しく家族を「生み出す」ということからでしょうかね?

私も個人的に、出産のことや胎児のことを知るにつけ、母親というのは本当に偉いな、生きるということを無駄にしてはいけないな、と思うようになりました。 

最後にもうひとつ。 mater を語源とした英単語で、私たちがとてもよく知っているものがあります。それは何かの仮想空間を「生み出す」ものとして、アメリカ映画のタイトルにもなりました。

考えてみてくださいね。


ひとりごと

私事で恐縮ですが、一週間前に妊娠7ヶ月になる子が、妻のお腹の中で亡くなりました。本当にショックで、涙のとまる日はありません。

この悲しみを乗り越えてほしい、という妻への励まし、そして、母親という存在すべてに敬意をこめて、今回の「母」をテーマに、このメルマガを夜中に泣きながら執筆しました。

母親という存在は本当に素晴らしいな、と思います。われわれはみな母親のお腹の中から生まれた、ということにあらためて感じ入る日々です。

また27週間というはかなき命であった我が子からも、本当にたくさんのことを気づかせてもらいました。それはまたいずれの機会に書きたいと思います。(2011年2月)

ホワイトハウスのイタリア語は

111030_1453~02.jpg ホワイトハウスのイタリア語は

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住まいの雑誌Casa BRUTUS

Casa BRUTUS(マガジンハウス刊)という住まい・建築雑誌をご存じでしょうか?この casa はイタリア語で「家」という意味です。
突然ですが、では、ここでクイズです。

「白い家」とはイタリア語でなんというでしょうか?

ヒントです。

イタリア料理店でメニューを見ると、「白ワイン」 vino bianco (ヴィーノビアンコ)、「赤ワイン」 vino rosso (ヴィーノロッソ)と書いてあるのを見たことがありますよね。

vino (ヴィーノ)が「ワイン」のことですから、
bianco は「白」、は rosso は「赤」です。

では、さきほどのクイズの「白い家」はわかりますね。

答えは・・・

casa bianca (カーザビアンカ)です。

(なぜビアン「カ」となるかは、casaという女性名詞についているからです。このご説明はまたの機会に。)

カーザビアンカ・・・。これは映画で有名な「カサブランカ」とよく似てるな~、と思った方はセンスがあります。「カサブランカ」はスペイン語でいう「白い家」です。よく似ていますね。

「白い家」は、英語のホワイトハウスのことですから、ニュースでもあのアメリカ大統領官邸のことをイタリア語で、 la Casa Bianca (ラ カーザ ビアンカ)といいます。

これで、「Casa」は、身近になりましたね。

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  • casa (女性名詞) 「家」
  • biaco (形容詞) 「白い」
  • rosso (形容詞) 「赤い」

「アンコール!」

音楽のコンサートなど演奏が終わったあと、観衆が「アンコール!」というときがありますね。

このアンコールは、そのままフランス語( encore )やイタリア語( ancora )の日常的な単語になっています。

イタリア語の ancora は「アンコーラ」という発音で「もう一度、さらに、まだ」といった意味になります。

Non e’ ancora pronto. (ノンネ アンコーラ プロント)で「まだ準備できてないよ。」となります。

ところがこの ancora というイタリア語は、冒頭で述べたようなコンサートの場での「アンコール!」としては使わないのです。

まったく別の言い方をします。それは次のうちどれでしょう?

1.Ancora una volta! 2.Bis! 3.Bravo!

 

・・・答えは2番の「 Bis! (ビス!)」です。

なぜこの Bis が、日本語でいうところのアンコールなのか?

その謎解きはなんと「自転車」や「ビスケット」という単語が手がかりになってくれます。

 

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【ひとりごと】

私は「語源」(etimologia)を主なテーマにして、このイタリア語のメールマガジンを書き続けています。「語源」というとちょっと難しそうに聞こえるのですが、難しいどころか、とても楽しい「なぞなぞ」みたいなものです。

語学の勉強というのは継続が大変ですし、とかくスランプにも陥りがちですよね。

クイズを通して、へえーっと感じてもらったり、イタリア語の学習の息抜きや励みにしてもらえればいいな、と思って執筆しています。

今回のアンコールと bis のテーマもとても面白いので、多くの方に是非読んでいただきたいです。

「こんなことにつながっていたのか~!」となること請け合いです。

 

 

アリバイ

推理小説や事件で、犯罪を隠す証拠を残すことを「アリバイ」と呼んでいます。

このアリバイは、日本語として使っていますので、これを日本語でなんというのか?とわざわざ考えたことはありませんでした。

「現場の不在証明」なんていう言い方もあるようですが、アリバイはアリバイですよね。

ところが、先日、イタリアの探偵小説を読んでいたら、 alibi という単語が出てきたのです。イタリア語でもアリバイは alibi なのですね。イタリア語での発音は前にアクセントがつくので「アーリビ」です。

この alibi をよくよく調べてみたら、おもしろいことがわかってきました。

alibi はラテン語で、分解してみると「 alius 」+「 ibi 」になります。

alius とは「他の」という意味で、ibiは「そこに、同じところに」という意味です。

 

ということで、 alius + ibi = alibi (アリバイ)は、「他の場所」という意味だったのですね。犯罪でも、その犯罪の瞬間に「他の場所にいました」ということがアリバイというわけです。

では、ここで問題です。

この alius 「他の」+ ivi 「ところ」が合わさって、alibi(他の場所)という意味だとお伝えしましたが、このラテン語の alius は現代のイタリア語では、とてもとてもよく使う単語になっています。

最初の頭文字「 al 」がヒントです。

まさかこの単語と「アリバイ」が関係しているとは驚きです。考えてみてくださいね。

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【ひとりごと】

アリバイがラテン語だったとは、はじめて知りましたが、アドリブもラテン語です。今ではほとんど絶滅(?)した言語がまだ生き残っているなんて、ちょっとロマンを感じます。

アマゾンの密林で、絶滅したといわれていた動物を発見した!みたいな感動といったら大げさでしょうか?

 

セミナーとゼミナール


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講演会などを「セミナー」と呼びますが、予備校の名前などによく使われるのが「ゼミナール」という単語。

大学でも研究室を「ゼミ」と呼びますが、これもゼミナールの略ですね。

そもそもこのセミナーもゼミナールは、まったく同じ単語です。seminar を英語読みするとセミナー、ドイツ語読みするとゼミナールというわけです。

セミナーもゼミナールも実際、日本語では何という意味であるかはよくわからないのではないかと思います。

塾?講義?学校?講演会?ワークショップ?

実は seminar はたどると「神学校」という意味で、キリスト教の教えを学ぶ場所だったのですね。イタリア語では seminario (セミナーリオ)といいます。

ここからがおもしろいのですが、イタリア語にこれと驚くほど似ている「動詞」があります。それは、seminare (セミナーレ)という動詞です。

ところがこの seminare という動詞は、日本語でいうセミナーやゼミナールとは、全くと言っていいほど異なる意味で使われているのです。

この動詞の意味がわかると、seminar の意味もなるほどと理解できるようになります。

これをクイズにしたいのですが、難しいと思いますので、ヒントを元にこの seminare という動詞の意味を考えてみてくださいね。

seminare il grano nel campo 
( campo=「畑」、grano=「小麦」)

 

ひとりごと

先日、イタリア語学習にとても役に立つ本をみつけましたので、ご紹介します。

イタリア語で手帳ををつけてみる
(べレ出版/張あさ子著)です。

日記や手帳をイタリア語でつけるための単語集や、サンプルがたくさん載っていて、これなら自分にもできそうだ、と思える本です。

語学というのはどうしても「学習」になってしまいがちですが、気負わず日常生活の中に自然に溶け込ませたい、という私の理想にぴったりしているので、とても気に入っています。

 

アンチ巨人

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アンチ巨人の「アンチ」とは

プロ野球で、読売巨人軍を嫌いだ、というとき、「アンチ巨人」といいますね。これはジャイアンツの黄金時代であった昭和40年代頃からある言葉だそうです。

私の父親も「アンチ巨人だ」と言っていますが、巨人の選手のことは詳しいし、巨人の試合結果ばかり気にしているので、本当は巨人のファンなのかもしれないと思っています。

それはさておき、この「アンチ」とはなんでしょうか?

日本語でいうなら「反~」ということですから、実はこの言葉、起源はギリシア語にまでさかのぼり、イタリア語の辞書を見ただけでも、この「アンチ」がつく単語がたくさん出てきます。

anticomunismo 「反共産主義の」

antifascismo 「反ファシズム」

となるわけです。政治や思想に関しての単語が多いようです。

ただ気をつけなくてはいけないのは、この「 anti 」は、「反~」の他に、もうひとつの意味で使われることも多いのです。それはなんでしょうか?

ヒントは「 anti 」のつく言葉、

アンティパスト、アンティシペーションなどを

考えてみるとよいでしょう。

 

ひとりごと

久しぶりに、イタリアの推理小説を読んでいます。早く続きを読みたくなってしまいます。わからない単語は飛ばして読んでいますが、早速、今回の anti に類する anticamera という単語が登場して嬉しくなりました。

 

「テナント募集中」

111030_1453~02.jpg 「テナント募集中」

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「テナント募集中」の看板にイタリア語

先日「テナント募集中」という看板をぼやっと見ていたら、気づいたことがありました。

(日本では、貸店舗のことをテナントといいますが、英語では tenant と綴り、貸店舗だけでなく「借家人」を主に指します。)

この「テナント」には、実は、イタリア語の最重要動詞が含まれているのです。

それは頭3文字の ten ではじまる動詞、といえばわかるように、イタリア語の tenere なのです。

この tenere は「持つ、保つ、~にしておく」という意味で、テナントは「 tenere する人、持つ(所有する)人」⇒「借家人」となるのですね。

動詞 tenere は、例えば
Tiene le mani in tasca.
(ティエーネ レ マーニ イン タスカ)

「彼はポケット( =tasca )に手を入れている。」
というように使います。

テナントのことを調べていたら、tenere が、語源となっている意外な単語を2つみつけました。ひとつはスポーツ、ひとつは歌手のパートです。ten の3つの頭文字(&冒頭写真)から想像してみて下さいね。

 

レプリカ

111030_1453~02.jpg レプリカ 

replica.gif

「レプリカ」はなんとイタリア語

何かの作品や製品のオリジナルに対して、「複製品、模造品、コピー」のことを「レプリカ」といいます。

この「レプリカ」は、 replica 、として英語でも使われますが、もともとはラテン語やイタリア語から派生しており、なんと、イタリア語も replica で、「レープリカ」と発音し、まったく同じ意味で使われています。

例としては、

una replica di Gioconda (ウーナ レープリカ ディ ジョコンダ)

であれば…、

Gioconda は、「モナリザ」ですから、「モナリザのレプリカ・複製品」となります。

ただ、 replica は、「コピー・複製品」という意味だけではありません。

さてここで問題です。replica が動詞になると replicare (レプリカーレ)となるのですが、

Lo spettacolo e’ replicato. (ロ スペッターコロ エ レプリカート)

※ spettacolo (=スペクタクル ⇒「上演、公演」)

となると、どういう意味になるでしょう?

語源をたどると、なんと女性のスカートである「プリーツ」にまで関わってくることがわかりました。

logo_small.jpg vocabolario

  • replica (女性名詞) 「
    コピー・複製品 」
  • replicare (動詞) 「再演する」
  • spettacolo (男性名詞) 「
    上演、公演 」