ジョークとジョーカー

ジョーカー

ジョークとジョーカーの共通点は?

外来語をヒントにイタリア語を学ぶきっかけ探しをしていると、 ときどきハッという発見があります。

誰も気づいていないのでは、すごい発見をしてしまった、という気分です(ちょっと大げさですが)。

今回のテーマ「ジョークとジョーカー」はその一つ。

まず、冗談の「ジョーク」とトランプの「ジョーカー」、この2つに共通することは何でしょう?

少し考えてみて下さい。

 

ジョーカーは、トランプでは制約のない「フリー、自由な」カードとして使われ、もとは宮廷の冗談を言って笑いをとる道化師の意味なのです。

とすると、「ジョーク」と「ジョーカー」は、何か「遊び」のある感じがすると思います。
その「遊び」の感覚があると、jokeとjokerから、あるイタリア語へのアクセスの道が開かれます。

 

giocare というイタリア語動詞

そのイタリア語とは、jokで始まるのですが、イタリア語のつづりにしてみるとわかりやすくなります。

イタリア語は、japan を giappone というように、 j はなく、gi になりますので

jok ⇒ gioc

 

つまり、「ジョーク」と「ジョーカー」は、イタリア語の giocare (ジョカーレ)と同語源だったのです。

意味は「遊ぶ、(スポーツなどを)プレーする」ですので、「ジョーカー」や「冗談、ジョーク」とも通じるものがありましたね。

では練習です。次のイタリア語はわかりますか?

Gioca a tennis.

 

 

わかりますね。「彼はテニスをするよ。」となります。

日本人の誰もが、giocareという動詞は、イタリア語特有だと思ってしまい、丸暗記しようとするのですが、こんなヒントがあれば、カンタンです。

これが「暗記いらず、挫折しらず」のラクラクイタリア語の学び方のひとつでした。

ガラコンサートとガーラ湯沢

ガラコンサートとガーラ湯沢

ガラコンサートとガーラ湯沢、どちらもご存じかと思いますが、実は…

クラシック音楽などのイベントや何かの記念のコンサートで、「ガラ・コンサート」というのを聞いたことがありませんか。

スターの競演のときも「ガラ」という言葉を使ったりします。

また、スキーといえば、新潟に「ガーラ湯沢」という人気のスキー場があります。

⇒ ガーラ湯沢

 

ガラとガーラとは?

この「ガラ」と「ガーラ」という言葉は、とても覚えやすいのですが、どういう意味なのでしょうか?

 

実は「ガラコンサート」や「ガーラ湯沢」の「ガラ、ガーラ」はまったく同じものなのです。

英語の「饗宴、豪華」などの意でgalaがありますが、英語では「ゲイラ」や「ギャーラ」と発音するようで、「ガラ」や「ガーラ」とは印象が違いますね。

もともと gala はイタリア語であり、発音も「ガーラ」なので、イタリア語が一番近いかもしれません。

イタリア語で gala  (ガーラ)とは、「大宴会、大饗宴、豪華」という華やかな宴を指します。

例えば、

una serata di gala (ウーナ セラータ ディ ガーラ)

「饗宴の晩」

abito di gala (アービト ディ ガーラ)

「晴れ着、正装着」

といった意味になります。

あの「ガラコンサート」や「ガーラ湯沢」が、こんなイタリア語とつながっているとはおもしろいですね。

 

民主党のマニフェスト

「マニフェスト」はもともと英語ではありません!

現在、政権を握る民主党ですが、「マニフェスト」と称して公約(?)を行っています。

この「マニフェスト」はあっという間にわれわれ日本人の間に広まりましたが、実はラテン語が語源で、manifesto は、イタリア語でも発音もつづりも「そのまま」使われているのです。

というより、イタリア語から英語を経由して日本に入ってきたという方が正確ですね。

ですから、イタリア語には manifestare (マニフェスターレ)で「明らかにする」という動詞まであるのです。

 

「マ二フェスト」の意味

このマニフェストは、意味としては、「宣言、声明文、公約」ですが、もともと、言葉を分解してみると、ラテン語で

manus (手) を fendere (打つ)となります。

つまり「手を打つ、手を叩くほど明白、明瞭なことを示す=宣言する」となったのですね。

民主党のマニフェストは、手を叩くほど明白で、それが実現されているかどうかはわかりませんが…。

ちなみに、この manus の「手」は、イタリア語では mano (マーノ)といいます。

 

カメラは暗室で

日本語の「カメラ」とイタリア語の「カメラ」を探ると…。

写真の「カメラ」は、外来語としてかなり古くからあると思います。ほとんど日本語といってもいいでしょう。今でも「デジカメ」という言葉にも「カメラ」という言葉が残っています。

何年か前にも無料のメールマガジンでも取り上げましたが、今日は「カメラ」がテーマです。

旅行先で、よく使うイタリア語のフレーズとして、

Vorrei prenotare una camera…

(ヴォレーイ プレノターレ ウーナ カメラ)

「部屋( camera )を予約したいのですが…」

というものがあります。

たいていは、日本語のカメラとよく似てるなー、なんて思う程度なのですが、この「部屋」の camera (カーメラ)は、写真の「カメラ」と何か共通点でもあるのでしょうか?

どうでしょう?

 

答えは「Yes」なのです。

もともとギリシア語の kamara (カマラ)が、「円天井」という意味で、そこから「部屋」になりました。

 

「写真」がどうしてカメラに?

写真が発明される頃は、camera obscura や camera lucidaと呼ばれる装置を使っており、暗い「部屋」(=暗室)や箱を利用していたことから「カメラ」と呼ばれるようになったようです。

ということで、イタリア語の camera も、私たちのおなじみのカメラも
もともと語源はいっしょだったのですね。

 

⇒ 既知(カタカナ外来語)から、未知(イタリア語)へ

camera (女性名詞) 「部屋」

 

 

乾かないうちがフレスコ画


絵画の「フレスコ画」はどういう絵の技法?

絵画で「フレスコ画」というのをお聞きになったことがあると思います。イタリア・ルネッサンス期の壁画などで、盛んに用いられた絵の描き方です。

ラファエロやミケランジェロの作品にも、フレスコ画があります。

このフレスコ画というのは、壁に漆喰(しっくい)を塗り、その漆喰が「乾かないうち」に、つまり「フレスコ( fresco )」な状態で、顔料で絵を描く技法のことをいいます。

この「フレスコ( fresco )」は、ずばりイタリア語。

意味は「新鮮な、さわやかな、新しい」という日常的な言葉なのです。frescoは「新鮮な」という意味のほかに、「涼しい、冷たい」という意味もあります。

 

「フレスコ」の使い方

例えば、

pasta fresca (パスタ フレスカ)

だと、どういう意味かわかりますね。新鮮なパスタ、ですから「生パスタ、打ち立てのパスタ」ということです。

野菜でも新鮮でとれたてのものはイタリア語で、  fresco と言います。そしてこの fresco は、変形して英語の「フレッシュ(fresh)、新鮮」になっているわけです。

でも、フレスコ画の画法と「フレッシュ」が結びついている日本人はあんまりいないでしょうね。「フレスコ画」は「フレッシュ画」だったわけですから。

ちなみにイタリア語で「フレスコ画」のことは affresco (アッフレスコ)ともいいます。

 

デカダンスとカデンツァ

デカダンスは「退廃」

今ではあまり使われることがないのですが、「退廃、堕落」という意味で「デカダンス」という言葉があります。

19世紀末の文学などのフランス芸術家の一派を「デカダンス」といったりします。

これは、踊りのダンスの一種だと思っている人もいますが(笑)そうではなくて、フランス語の decadence から来ています。イタリア語では decadenza (デカデンツァ)といいます。

何かが衰退する「転がり落ちて行く」イメージをしておきましょう。

 

カデンツァは音楽用語

一方、「カデンツァ」というのは、音楽用語で、バイオリンやチェロ、ピアノなどの協奏曲の中で、ソリストがひとりで即興のような独奏部を弾くところを指します。

オーケストラが演奏するのを止めて、一人舞台となるところです。

もともとはひとまとまりの音楽の「終わり、終止」の和音が進行するところを指しました。

cadenza とつづり、これはイタリア語です。

この decadenza と cadenza は、実は、どちらも共通した cadere というイタリア語動詞が基本になっています。

cadere とは「落ちる、転ぶ、終わる」という意味で、

「落ちる」ことから「デカダンス」の「退廃」
「終わる」ことから「カデンツァ」の「終止」

となったわけです。

ということで、iイタリア語動詞 cadere は、デカダンスやカデンツァとつながりがあったのですね。

例えば、

Sono caduto mentre scendevo le scale. 

「階段を上がっているときに転んじゃったよ。」

( cadere の過去分詞が caduto です)

となるわけです。

 

ラヴェンダーのlav


今回は、ラベンダー、にまつわる話題です。
花のラベンダー lavender は、
アロマセラピーのオイルにもなっています。

リラックス効果があるとされ、いい香りがしますね。
殺菌、消毒作用もあるため、古代ローマから、
カラダを「洗ったり」、傷口を「洗ったり」することに、
用いられていたようです。
この「洗う」のラテン語 lavo(ラヴォ)が、
lavender の語源となっています。
lav- を語源とする単語は他には、

私たちも知っている、
lavatory (ラバトリー、洗面所)があります。
イタリア語ならlav-は、
「洗う」というイメージとすぐリンクしてきます。
「洗う」という動詞そのものを、lavare (ラヴァーレ)というからです。

「お皿を洗う」でしたら、

lavare i piatti (ラヴァーレ イ ピアッティ)

となります。
洗浄やクリーンなイメージの、ラヴェンダー(lavendar)から、
lavare という動詞がカンタンに覚えられそうですね。