「そば」はイタリア語で?
和食は寿司をはじめとして世界でも人気が出てきているので、そばも soba で通じることがありますが、イタリアではどうでしょうか?pasta giapponese でもいいかも知れませんが、うどんとは区別できませんね。
説明するには、いろんな表現がありますが「そば粉」のことは grano saraceno (グラーノ サラチェーノ)といいます。フランス人はそば粉のクレープを食べますし、イタリア人も食材としてよく知っています。ですから、pasta di grano saraceno といえば、通じるでしょう。
意味は「サラセン人(saraceno)の小麦(grano)」とでもいいましょうか。
サラセン?
サラセン人?
今回はこの saraceno にご注目です!
「シャッター」のイタリア語は?
私はそば粉が grano saraceno ということを知って、あれ?と思いました。なぜならイタリア語で住宅や店舗の「シャッター」のことを saracinesca (サラチネスカ)というからです。何か似ていませんか?
saraceno とは?
じつは、saraceno というのは「サラセン人」のことで、世界史をよくご存じの方はサラセン帝国というのを聞いたことがあるでしょう。
サラセンは「イスラム」とほとんど同じ意味で使われ、サラセン人といえば「イスラム教徒、アラブ人」を指しているのです。
ですから、アジアが原産とされるそば粉は、イスラム(サラセン)を伝ってヨーロッパにもたらされたので、grano saraceno となったのでしょう。また「シャッター」は、サラセン人の鎧戸(よろいど)が由来にあるため、saracinesca となりました。
そば、シャッター、サラセン人、と一体、何がつながるかと思ったら、意外な接点があったのですね。
vocabolario
「サラセン人」に親しんで(?)いただいたところで、学んだイタリア語を整理してみましょう。イタリア人に「そば」を説明することは、結構ありそうですね。「シャッター」は知っていたら、イタリア人もびっくりするかも知れませんね。
grano saraceno (男性名詞) 「そば粉」
―pasta lunga di grano saraceno
―「そば」
grano saracenoの発音はこちらから↓
saracinesca (女性名詞) 「シャッター、よろい戸」
―Alzare la saracinesca di un negozio.
―「店のシャッターを開ける。」
saracinescaの発音はこちらから↓
サッカーでは、鉄壁のゴールキーパーのプレーを評して saracinesca という表現を使うようです。閉まったシャッターのようにゴールできないという感じでしょうね。
saraceno (形容詞) 「サラセン人(の)、アラビア人、イスラム教徒(の)」
―l’esercito saraceno
―「イスラム軍」
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