音楽のコンサートなど演奏が終わったあと、観衆が「アンコール!」というときがありますね。
このアンコールは、そのままフランス語( encore )やイタリア語( ancora )の日常的な単語になっています。
イタリア語の ancora は「アンコーラ」という発音で「もう一度、さらに、まだ」といった意味になります。
Non e’ ancora pronto. (ノンネ アンコーラ プロント)で「まだ準備できてないよ。」となります。
ところがこの ancora というイタリア語は、冒頭で述べたようなコンサートの場での「アンコール!」としては使わないのです。
まったく別の言い方をします。それは次のうちどれでしょう?
1.Ancora una volta! 2.Bis! 3.Bravo!
・・・答えは2番の「 Bis! (ビス!)」です。
なぜこの Bis が、日本語でいうところのアンコールなのか?
その謎解きはなんと「自転車」や「ビスケット」という単語が手がかりになってくれます。
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【ひとりごと】
私は「語源」(etimologia)を主なテーマにして、このイタリア語のメールマガジンを書き続けています。「語源」というとちょっと難しそうに聞こえるのですが、難しいどころか、とても楽しい「なぞなぞ」みたいなものです。
語学の勉強というのは継続が大変ですし、とかくスランプにも陥りがちですよね。
クイズを通して、へえーっと感じてもらったり、イタリア語の学習の息抜きや励みにしてもらえればいいな、と思って執筆しています。
今回のアンコールと bis のテーマもとても面白いので、多くの方に是非読んでいただきたいです。
「こんなことにつながっていたのか~!」となること請け合いです。