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テニスの「オムニ」コート

omni_court

テニスコートのいろいろ

テニスの全米オープンで先日(2014年秋)、錦織選手が大活躍しました。小柄な錦織選手が長身の選手をスピードで打ち負かすのは見ていて爽快ですね。

ところで、テニスコートにはいくつか種類があります。

全米オープンはゴムのハードコート、全仏オープン(フランス)は砂のクレーコート、伝統の全英オープン(ウィンブルドン)は芝のグラスコートです。

それからオムニコートというものもあります。人工芝でできており雨上がりでもすぐプレーできるため、全天候型コートといわれています。

 

オムニコートとオムニバスの omni

このオムニコートの「オムニ」と、映画などでオムニバス映画というときの「オムニ」、この「オムニ」からある大事なイタリア語が学べます。

詳しく見てみましょう。

「オムニ( omni )」とはもともとラテン語で「すべての」という意味があります。

テニスの全天候型のコートをオムニコート( omni court )と呼んでいるのは、「すべての」天候に適応した、という意味でこんな名前がついたのでしょう。

オムニバスの omnibus は、もともと「すべての人のため」というラテン語で、そこから「誰もが乗る乗り合いの車、バス」として使われるようになったり、ある監督やテーマの作品の「すべて」をまとめたものなどをオムニバスというようになりました。

 

イタリア語では omni ⇒ ogni

イタリア語では「毎日」のことを ogni giorno (オンニ ジョルノ)というように、omni が変化して ogni となりました。

イタリア語を習うと出てくる単語のひとつがこの ogni ではないかと思います。「すべての、おのおのの、それぞれの」という形容詞なので、とてもよく使われます。英語では every ですね。

われわれ日本人に縁もゆかりもないイタリア語だと思っていたものが、実は身近にあった、というのはよくあることで、それがこの ogni でした。

 

毎日、毎週、毎月

「毎日、毎週、毎月」は、イタリア語で ogni giorno, ogni settimana, ogni mese とそれぞれいいますが、オムニバスやオムニコートの omni から ogni を見直してみると、とても親しみが涌いてきませんか?

ちなみに、14世紀の詩人ダンテ・アリギエーリの叙事詩である『神曲』の地獄篇第三歌の有名な一節には、

Lasciate ogne speranza, voi ch’intrate.
「汝等こゝに入るもの一切の望みを棄てよ」

がありますが、ここに ogni speranza (すべての望み)が登場しています。(これは当時の古いイタリア語ですから ogne となっています。)

それでは ogni の発音を聴きながらおさらいしてみましょう!

 

vocabolario

ogni という形容詞に親しみがわいて、使ってみたくなればしめたものです。用例を下にあげておきます。

ogni (形容詞)「すべての、おのおのの、それぞれの」
ogni giorno 「毎日」

 

―in ogni modo 「どんなことをしても」
―in ogni caso  「いずれにしても」

ognuno (pronome indef.) 「各人、めいめい」
Oguno lo sa. 「各人がそのことを知っている。」

 

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