「シンパ」は日本語?
今回はとっておきのネタをお送りします。
「シンパ」という言葉をご存じでしょうか?
政治でよく使われている言葉で、「自民党シンパ」とか「共産党シンパ」あるいは「日本シンパ」など、聞いたことがあるでしょう。
この「シンパ」とは「共鳴者、共感者、支持者」という意味です。
ときどき「シンパ」ではなくて「親派」と書いてあるのを 見ることがありますが、この使い方は実は間違いなのです。
なぜなら「シンパ」とは 英語の sympathyzer (シンパサイザー)の略だからです。
ただ「親派」も漢字と意味がしっくりくるから使われているのでしょうね。
sympathy で「同調、共感」という意味なのですが、この単語はギリシア語で、
sym「共に」+ pathy「苦しむ、受ける(=感情)」
がもともとです。そこから「共感、共鳴」になりました。
ではこの「シンパ」ですが、われらがイタリア語にもあります。
それは、おわかりですね。
simpatico 「親切な、優しい」 (シンパーティコ)
これは「親しみやすい、好感のもてる、感じのいい」という意味で、「シンパ」だったわけです。
イタリア語を学ぶ方のほとんどは、このシンパとsimpaticoが結びついていないと思いますが、こうして考えると親しみが涌きますね。