スポーツのフォームとチーズ
野球やテニス、ゴルフなどのスポーツで「あの選手のフォームは美しい」などと言うことがあります。イチロー選手のバッティングフォームも美しいですね。
この「フォーム」というのは日本語ではなんと言うのでしょう?
カタチ? 様式? 姿? 形式?
なんだかスポーツでいうところの「フォーム」に該当する日本語はないような気がします。それだけ「フォーム」という外来語が日本語のように浸透しているのでしょう。
さて、このフォームというのは英語で form とつづるのですが、ラテン語の forma (フォルマ)を語源としており、イタリア語にはそのまま forma (フォルま)という単語があります。
例えば、(cilindrica (=「円筒状の」))
Sul tavolo c’era uno strano oggetto di forma cilindrica.
といえば、
「テーブルに、円筒の形をした変なものがありました。」となります。(←それこそなんか変な例文ですね。)
フォームとチーズの関わりとは?
では、今回のテーマである「フォームとチーズ」ですが、一体何の関わりがあるのでしょう?
ヒントは、チーズを製造するところにあります。冒頭の写真を見ていただければわかるように、チーズというのは、円径のようなある「型」をとって作られ、それが切られて売られています。
つまり製造のための丸い「型」( = forma )に流し込まれて発酵して作られたのがチーズであり、イタリア語の
formaggio (フォルマッジョ )
の forma だったのですね。チーズという意味のイタリア語に、こんな「フォーム」が隠されていたのです。